【W杯】日本代表決勝進出も世界は批判… それでも次戦ベルギー「日本のほうが可能性は高い」

サッカー日本代表は対セネガル戦で熱戦を繰り広げ、2-2の引き分けに。世界各国からも「最もエキサイティングな試合だった」と日本のサッカーに賛辞を送っていましたが…
28日に行われた3戦目、世界8位の強豪ポーランドと対戦しました。しかし、日本のこの試合の戦い方が世界中で大きなブーイングを巻き起こしていたのですね。
今回はポーランド戦での試合運びと、世界でブーイングを起こしてしまった原因、また新しい制度「フェアプレー制度」についてFIFAのコメントをまとめてみたいと思います。また、次の試合で対戦する、世界ランキング3位のベルギーの選手についてまとめてみました。
Contents
ポーランド戦での日本の戦いを簡単に振り返ると
今回の日本代表のポーランド戦に対する批判の始まりを簡単に振り返りましょう。
第2戦のセネガル戦で引き分け、勝ち点4、得失点1の状況となり、セネガルと並びます。この際、イエローカードの枚数によって日本は1位となり、セネガルが2位、3位がコロンビアとなっていました。そして、強豪ポーランドは2敗で4位、決勝トーナメントへの進出可能性がなくなっていたのです。
そして迎えた第3戦。対ポーランドで引き分け以上であれば、日本は自力で決勝トーナメント進出を決めることになっていました。
後半14分に、セットプレーからポーランドのベドナレクが合わせてゴールを決め、日本は1点ビハインドとなります。
出典:sputnik 日本
その裏で、同時刻に行われていた同組セネガル対コロンビア戦で、コロンビアは先制点となる1点を取ります。
その情報をキャッチしたのか、日本の西野監督は後半35分、長谷部選手を投入。この直後から、日本の選手たちはボール回しを始めます。ポーランドの選手も前に出てこなくなったのです。
この試合運びに、会場全体はブーイングで満たされてしまいます。セネガルが1点奪えば、日本は敗退する可能性が濃厚になってしまうほか、何よりも試合会場に足を運んできた観客が取り残されてしまうような試合に…
結果、日本は0-1で負けるも、コロンビアがセネガルに1-0で勝利し、グループHは1位がコロンビア、2位が「フェアプレーポイント」の差で日本となり、決勝トーナメント進出を決めたのです。
世界の評価「あぜんとする」「みっともない」
この試合に対し、イギリスBBCの番組では
「指導者として、別の試合で何が起きるかに運命をそっくり預けるとはあぜんとする。日本が好きになっていたのに、正直、次戦ではボコボコにされてほしいと思う」
と酷評。
フランスのスポーツ紙「レキップ」は、
「後半30分まではさして面白くない試合に過ぎなかったが、残りの15分はあまりにみっともなかった」
「日本は決勝トーナメントに進めると考えて、10人でパス回しを始めた。結果、日本は予選を通過したが、栄誉は伴わなかった」
とこの試合を評しています。
出典:朝日新聞デジタル
一方で、イギリスガーディアン電子版では、大阪に在住するコメンテーター、ベン・メイブリーさんがブログで
「本当にギリギリのところでの判断だったね」
「3戦目で負けても良いほどの余裕まで持てたというのは、全く予想もしなかった。悔しそうな選手たちの表情も、勝利へのこだわり」
と日本の試合をねぎらったうえで、
「フェアプレーで勝ち上がれたのも、なんとなく日本にふさわしい気もする」
とコメントしていたようです。
世界の酷評に、ネット上での反応は?
この日本の試合に対する世界の見方に対して、ツイッター上では次のような反応となっています。
世界の見方は厳しい。
決勝ではボコボコにされて欲しいとまで言われてしまっている。
不名誉な決勝進出。日本人は名誉より結果を求めすぎている。
すべては次戦にかかってますね。ここでみっともない試合をしたらセネガルに申し訳ない。
ポーランドは勝てれば良い。日本は引き分けでよい。締まりのない本当につまらない試合。特に最後の10数分。世界の恥さらしの試合になってしまったW杯とは思えない。ギリギリでもなんでもない。
コロンビアに勝ち、セネガルと引き分けたから出来た戦術。
批判は世界が日本を認めているという事で、日本サッカー界で初めて時間稼ぎをした日本はアッパレ!
これがW杯なんだよ!
ルールとして許されている、戦略としては問題なしのプレーです。あくまで戦略です。
…などなど、様々な意見が寄せられているようです。
フェアプレーポイント制度についてFIFAがコメント
今回の試合が「フェアプレーポイント」適用の初めての例であることを受け、FIFAの大会ディレクター、コリン・スミスさんは以下のようにコメントしました。
「これは抽選を避けるために導入したシステムだ」
「チームが次のステージに進むのは、それぞれのパフォーマンスやピッチで起きることに基づくべきであり、抽選によって決まるものではないと確信している。この規定が導入されたのは、抽選になる前にもう一つ基準を設けるためだ。大会終了後に検証し、フィードバックやそのときの状況について確認する予定だが、現在のスタンスとしては設けられた規定を変更する必要性は見当たらない」
次戦は優勝候補ベルギー その強さとは?
7月2日27時にキックオフのベルギー戦。ベルギーの注目選手とその強さについてまとめてみましょう。
ベルギーの強さの一つは何といっても個の技術力の高さ。
代表的な選手としては、フォワードのエデン・アザール選手。
イングランドプレミアリーグのチェルシーでプレーする、世界でも活躍する選手で、高速ドリブルで守備網を次々と切り抜けてチャンスを作り出す天才的な選手です。
ロメル・ルカク選手。
コンゴ民主共和国にルーツを持つフォワード選手で、現在はマンチェスターユナイテッドでプレー。16-17シーズンでは25得点を記録するなど、実力はかなりのもの。
ケビン・デブライネ選手。
「プレミア最高の司令塔」と称されるほど、ゴール、アシスト、すべてにおいてゲームを支配することのできるMF。現在はマンチェスターCでプレー。
そして、アドナン・ヤヌザイ選手。
コソボにルーツを持つ同選手は、これまで活躍を期待されていましたが、満足な成績を残せていませんでした。それでも今大会でイングランド戦で決勝点を挙げるなど、活躍が期待される若手選手です。
オシム氏 日本代表について 「日本のほうが可能性少し高い」
今回の日本の戦いに関して、オシム氏は西野監督の采配について
「私は彼の判断を支持する。そのことについてはあまり騒ぐべきではないし、日本代表にあまり多くを求めてもいけないと思っている。」
とコメント。さらにNumber Web の取材において、オシム氏は
「日本は何としてもベルギーに喰らいつく。日本にはそれが可能だ。そしてどちらにもチャンスはある。ともに高いクオリティを持っているからで、可能性は日本の方が少し高いと私は見ている。日本人の方が機動性が高く、小柄だが頑強でもあるからだ。どんな場面でも的確に位置をとり的確に対処することが日本人はできる。その点で日本に多少のアドバンテージがある。」
とコメントしています。
このオシム氏のコメントについても、ツイッターでコメントが寄せられています!
オシムの話ってなんでこんなにいちいち面白いんや
オシムがそう言ってくれると勇気が湧く
日本は日本らしく戦えばいいってことだ
そして可能性は十分にあると…
オシム氏の言い回しが良いね。常にこちらに何かを考えさせる言い回し。選手に対してもそうだったんでしょう。「ヒントは与える。その先は考えろ」みたいな
やっぱりオシムは頭が良くて気の使える人だね
いちいちかっこいいな。
今回の西野監督の采配に賛否両論はありますが、これまで日本サッカーが世界を驚かせていたのは事実。決勝トーナメント1回戦で「赤い悪魔」と呼ばれるベルギーと対戦しますが、どんな戦いを見せてくれるのか楽しみです。その試合は7月2日の深夜。これは見逃せませんね!!