「健康のために野菜ジュース」 今すぐやめるべき理由

健康な体を得るためには、食事から見直す必要があることは、だれもが認めることです。
そのために1日の食事の中で野菜の摂取量を増やしたり、バランスよく食事をするよう心掛けると思いますが、難しいのが1日の野菜摂取量を確保することです。
しかし、手軽に野菜を摂取できるとして人気なのが「野菜ジュース」。飲むだけで1日の野菜の栄養を取れると知ると、思わず手にしてしまうでしょう。
しかし、ちょっと待ってください。その手にした「野菜ジュース」、実はかなり「危険」な飲み物であることを、ご存知でしょうか。
今回は、そんな「野菜ジュース」に潜むヤバイ点と、その裏側についてまとめてみたいと思います。
「1日分の野菜が取れる」という表示に騙されるな

よく目にする表記、それが
「これ一本で1日分の野菜が取れる」
といったものです。
しかし、このうたい文句に騙されてはなりません。1日の中で必要とされる野菜の量は350グラムと定められていますが、ジュースを飲むことで、その350グラムを摂取できるというわけではなく、単に「350グラムの野菜を入れました」というだけなのです。
実際、野菜ジュースを手掛けるカゴメは、公式ホームページで次のように述べています。
様々な栄養素を手軽に摂ることが出来るのが野菜ジュースの良いところ。だからといって野菜ジュースさえ飲んでおけば健康になれるわけではありません。健康的な食生活の基本は色々なものを少しずつ、バランスよく食べることです。「過ぎたるは及ばざるがごとし」というように、同じものを摂りすぎるのは良くありません。これは野菜ジュースも同じです。普段の食事で野菜をバランスよく摂るように心がけ、野菜ジュースは野菜摂取の補助としてお役立てください。
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そうです、「1日分の野菜を取れる」という言葉を、過信してはいけないのです。
栄養素のほとんどない「濃縮還元」
野菜ジュースの表記にある「濃縮還元」の意味をご存知でしょうか。
これは、野菜を加熱して体積を減らし、6分の1に濃縮。その後、どろどろになった「濃縮ペースト」を冷凍して、それに水を加えて元に戻したものを「濃縮還元」というのです。
この方法だと、野菜に含まれる栄養素はほとんど失ってしまい、飲みにくさから製造過程で食物繊維は除かれているといいます。それゆえ、メーカーによっては失われた栄養素を補うために、香料やビタミン、ミネラルなど食品添加物を加えているといいます。
「国内製造品」の裏側にひそむ闇
「国内製造品」と書かれていると、なんだか安心感がありますが、実はこれにも裏があります。
事実、野菜ジュースの野菜は他の多くの外国から仕入れていて、「濃縮還元」を日本国内で行えば、表記上「国内製造品」と書いて問題ないそうです。
海外から仕入れている以上、野菜に残る農薬等の心配がありますが、もし何か問題が起こっても、どこに原因があるか特定が難しくなるケースもあります。
たくさん含まれる「香料」は一括表示で隠されている

成分表示に示される「香料」。化学的に合成された香料の種類は、3000を超えるといいます。
香料には様々な化学合成物が用いられていて、天然の香りを表現すべく、実にさまざまな種類のものを使用します。
その中には、安全に疑問が残る物質も含まれているものもあります。
そうした物質を、ひとまとめに「香料」と表記しさえすれば、どれだけの量、どんな種類の物質を使ったかを記す必要がないのです。
つまり、野菜ジュースの中に含まれる香料はどんなものなのか、私たち消費者は知る術がないのです。
まとめ
以上の記事をまとめると、こうです。
- 「これ一本で1日分の野菜」という表記に騙されてはいけない
- 「濃縮還元」の意味を理解すれば、栄養素は期待できない
- 「香料」はどれくらいの量、どんな種類の物質が使われているか、消費者は判断できない
そうです、健康にいいと思って飲んでいたとしても、実はそうではないのです。
一見、お手軽で健康に良さそうと思えても、野菜はやはり、自ら調理して食べるほうが、断然健康にいいことは間違いありません。
手間がかかったとしても、実際の野菜を調理して、あるいは生で食べることをお勧めいたします。